宇治と伏見への旅(2) 世界遺産 宇治上神社と宇治をお散歩

宇治
世界遺産 宇治上神社

さわらびの道沿いに歩いていると「宇治上神社」があったので入ってみることに。
世界遺産に認定された神社で、入口の右にあるのは世界遺産の碑です。
なんと、現存する日本最古の神社建築なんだそうです。
対岸にある平等院と同時期に世界遺産に登録されたそうだけど、こちらはうって変わって静か。
ひっそりとしています。

 

宇治
世界遺産 宇治上神社

有名な「寺」にはたいてい、どでかい大仏がでーんと座ってらっしゃるので建物は上に高いんだけど、神社は天井のつくりが低い。
この宇治上神社の拝殿は、それまで見たことのないシンプルな造りだったんで、新鮮でした。
平等院の豪華絢爛な鳳凰堂の後に見たからよけいにそう感じます。
質素で重厚。 平等院とは違った意味での良い意味での「古臭さ」を感じました。

あとから知ったんだけど、日本最古の神社建築物といわれる本殿は、この拝殿のさらに裏にあるそうな!
拝殿は鎌倉時代。本殿は平安後期の建築物らしい。
うぅ~。事前に知ってたら行ってたのに!
拝殿を見てすっきりして帰って しまいました。
ガイドブックではそこまで詳しく書いてあるものは少ないので、ココでぜひ予習をしてから行ってみてください!

●宇治上神社 京都府宇治市宇治山田59
拝観できる時間:9時~16時30分 無休
拝観料:無料

 

宇治
源氏物語ミュージアム

「さわらびの道」を歩き、源氏物語ミュージアムへ。 とっても近代的なつくりの建物。 中にはお土産屋さんもあり、お香を買って帰りました。
館内を入るとすぐに当時の衣装や小物や乗り物などを再現した部屋があります。ここは撮影OKなのです。

源氏の宇治十帖は、光源氏の息子世代の話なのであまり馴染みがないんだけど、館内で宇治十帖の映画がやっているので、こちらをまずどうぞ。
私が行ったときには「浮舟」の映画が やっていました。
1998年に撮影された人形劇で、監督は篠田正浩、 紫式部役で声の出演が岩下志麻、浮船役を葉月里緒菜が演じています。
人形劇と侮るなかれ。ハイビジョンで撮影されていて、とても美しい映画でした。

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源氏物語ミュージアム

「牛車(ぎっしゃ)」です。牛にひかれていく乗り物ですね。

物語の中では、この牛車の中にお姫様と女房数人が乗ってたという記載がよくあるけれど、再現されているものは、どう考えても一人しか 乗れないような・・・。
牛車のすだれの下からお姫様の着物のすそが見えています。
当時の女性の着物は階級で着られる素材や色が異なっていたっていうから、牛車の造りを見ても階級はわかっただろうけど、ちらっと見える着物の素材や色からも、どんなランクの姫さまが 乗っているのか、わかったんでしょうね

牛車がでてくる有名な源氏物語の場面といえば、「車争い」のところ。
源氏の正妻である葵の上と、愛人である六条の御息所葵祭りを 見に行ったときにばったり出くわしてしまう。
葵祭りっていったら、家にこもりっきりの深層の姫君にしてみれば、外出が堂々とできる一大イベント。
当時はどの貴族も牛車に乗って見に来るわけです。
それで、場所取りで騒動になって六条の御息所が負けてしまう。
しかも、葵の上の家来達の「けっ。こっちは源氏の本妻なんだよ!」という捨て台詞までお土産に・・・。
これがきっかけで六条の御息所は葵の上を生霊になって恨んだとされています。

げに女の嫉妬は恐ろしや。

宇治
源氏物語ミュージアム 稚児の舞う様子

平等院を訪れたときにも思ったんだけど、平安時代の色彩って、ぱっと目にひく色は、赤といっても朱色っぽかったり、山吹色っぽいのが多い。
天然の素材を使ってこんな鮮やかな色が出るんですね。
「萌黄」とか「山吹」とか「朱色」とか現代の生活ではあまり耳に しない色の名前も、漢字にするとイメージがぴったりあって、色が想像できる。
「ライトイエロー」とか「ライトグリーン」とか「オレンジ」とか、カタカナから覚える色と違い、「色」と「色を表す漢字」の関係って絶妙。

 

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源氏物語ミュージアム 貴族の部屋の様子

平安時代のお姫様の部屋。意外と原色が多くて明るいかも。 もっと質素な色合いのものが多いかな?と思っていました。素材を活かした色合いということで、意外と原色が多くなっているのかも。
部屋の中の小物や調度品を見ているのはなかなか面白いです。
教科書や物語の中では「漢字」としてしか頭に入ってこなかったけど、こうやって再現されたものを見ると納得できる。

源氏物語(いや、「あさきゆめみしicon」だな。)や「なんて素敵にジャパネスク」が好きで学生の頃は繰り返し、繰り返し読んだおかげで平安貴族の生活や調度品の読み方や源氏物語五十四帖の読み方、超得意(笑。
でもここに来て改めて「こういうことなんだ。」とわかります。

ちなみにこの頃のお屋敷の造りって壁でなく、御簾(みす)几帳(きちょう)で仕切られていました。
・・・冬は寒かったろうなぁ。

 

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源氏物語ミュージアム 着物、反物それぞれ

この時代は寒そうだなぁ・・・と書いたものの。
やっぱり豪華絢爛な衣装や庶民とは違う暮らし振りには憧れる。
こんな部屋だったんだ~と思いながら展示物を見て歩く。
この時代の人は男性でも身長180センチ以上の人なんていないだろうから、部屋を仕切る屏風や几帳は高さが低めに感じます。
こんな中で、プライベートを保つってできないよな。
色とりどりの着物や反物類が目に鮮やかです。

 

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源氏物語ミュージアム 几帳と香炉

左側の布が垂れ下がっているのが几帳(きちょう)
男性や身分下の者と会う時に立てかける間仕切りですね。
その隣の中央にある針金っぽいドーム状の置物のようなのが香炉(こうろ)
中でお香をたいて、着物をかぶせ、匂いをつけます。
この当時はお風呂なんてそうそう入れないし、なんてったって女性は 髪が長いから洗うの大変。
これも身だしなみってやつですね。

 

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源氏物語ミュージアム 六条院

光源氏が栄華を誇った時期に建築した六条院のモデルです。
でかい!広い!庭付き舟を浮かべる池付き!
貴族道を極めた光源氏であらせられるから、こんなにすごいのかと思うけど、実在した藤原貴族もこういう感じだったんでしょうか。
庭の池に舟を浮かべて楽しむなんて、今の日本でそんなことできるの何人いるのであろうか・・・。

 

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源氏物語ミュージアム 垣間見る

宇治十条に出てくる邸宅を再現してます。 大君、中の君という二人の美人姉妹を薫が垣根の間から見ています。
ようは、覗き見ですな。

滅多に家の外に出てくることのない女性をチェックするには、こうやって覗き見するしかなかったわけで。
これが「垣間見る」の語源になったと言われています。
源氏物語ミュージアムは、源氏物語に関心のある人々が楽しむ だけではなく、当時の生活の様子を簡単に知るためにも、面白いところでした。
あさきゆめみし」が好きで、源氏物語が好きな人にはおススメですよ~。

●源氏物語ミュージアム
住所:京都府宇治市宇治東内45-26
開館時間:午前9時~午後5時 ※入館は午後4時30分まで
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)・12/28~1/3
入館料:大人500円

伏見 寺田屋編へ続く

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